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教育学分野のご紹介

教育学分野では~時を越えて

 一般に「教育学部」や大学院の「教育学研究科」と聞くと、教員養成を専門に学ぶところだと思われがちのようです。けれども京都大学の教育学はそうではありません。私たちは、哲学や歴史、社会学、心理学など多様なアプローチ方法により、“教育”に関わるあらゆる事象について基礎的な研究を行っています。なかでも教育学分野では、人間の生成と教育の諸課題を哲学的・思想史的に探求しながら、歴史人類学や詩学の手法を用いて、教育文化に様々な観点から迫ろうとしています。

 教育とは、学校教育のみを指すわけではなく、人がこの世界で人と出会い、互いに影響し合いながら生成・変容を遂げていく場は、すべて教育の場と言えます。教育について広い観点から論じるとはいえ、ジャーナリズムにおいては、せいぜい50年、60年の単位で考えることが多いようです。私たちにとってなじみの深い学校教育ですら、基本の枠組みが成立したのは、日本では明治維新以後、ヨーロッパでは近代国家成立以後のことです。けれども、教育を専門とする仕事、つまり教師という職業が成立したのは、古代中国、古代ギリシアにまで遡ります。“教育”に関わる様々な事柄は、長い歴史のなかで変化を遂げながら今日に至っています。

学校の時間割っていつごろできたの?試験や成績表は昔からあったの?
昔の教科書は今とどう違うの?

 私たちが受けている、あるいは受けてきた教育、そんな教育に関わる体験や経験のなかで、ごく当たり前だと思ってきた事柄 −時間割、試験、成績表、教科書など− はいつのまにか自然発生的にそこにあったものではなく、それぞれの時代、それぞれの国のなかで企図され、制度として整備されてきました。自分が学校に通っていたときに受けた教育が、その時代の影響をどのように受けていたのか、その当時の政治や経済、社会や文化の動きと絡めながら、人間や教育についてのものの見方や考え方を反省的に捉える、そんな相対化の視点をもって、現代の教育や人間に関わる諸問題を読み解くこと、それが私たちの目指すところです。